時の点描 / Pointillised Time for Mandolin Orchestra and recorded track
Commissioned and Premiered by Mandolin Orchestra Guild
初演:2023年9月10日 マンドリンオーケストラ・ギルド第11回演奏会 京都コンサートホール・アンサンブルホールムラタ

本作は、「時」という概念を象徴する「時計の針」の音、曖昧な時間経過を示す「砂」の音、そして人間が紡ぎ出す「マンドリンオーケストラ」の音によって構成されています。 音楽作品は、「時間芸術」という分類をされる、時間の経過とともに鑑賞され、演奏されるものです。時間は常に一定の長さで流れているはずですが、私たちがとる行動や、意識によって、同じ時間でも、長く感じたり、短く感じたりすることがあります。同時代を生きる人々は、同じ時刻を共有しながらも、世界各地で全く違った時間を過ごすように、音楽の鑑賞者、演奏者もそれぞれ違った視点から音楽と対峙しています。
本作の演奏で、異なる時間から切り取られた音の重なりを再びつなぎ合わせることで、浮かび上がるのは各々の意識が選び取る瞬間の記憶や感情の蓄積です。
演奏会という特殊な時間の中で、鑑賞者皆さんそれぞれが「時間」という概念と対峙する機会となれば幸いです。
(初演時プログラム・ノート)